足底筋膜炎(そくていきんまくえん)は、かかとの骨(踵骨)から足の指の付け根にかけて広がる 足底筋膜 に炎症や微細な損傷が起こる疾患です。
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特徴
• 主に かかとの痛み が出るのが特徴
• 特に 朝の起床時の一歩目 や、長時間の座位後に立ち上がる時に痛みが強い
• 歩いていると徐々に和らぐこともあるが、長時間歩行・立位で悪化しやすい
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主な原因
• 使いすぎ:ランニング・ジャンプ動作などの繰り返し
• 足のアライメント異常:扁平足・ハイアーチ
• 靴の不適合:クッション性のない靴、硬い床での作業
• ふくらはぎの筋緊張:下腿三頭筋やアキレス腱が硬いと足底に負担がかかる
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症状
• 踵の内側〜中央に刺すような痛み
• 朝起きてすぐの歩行が最もつらい
• 重症化すると常に痛むことも
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対応・治療
保存療法が基本
• 安静:走る・ジャンプなど痛みを悪化させる動作を控える
• ストレッチ
• ふくらはぎ(アキレス腱)のストレッチ
• 足底筋膜を伸ばすストレッチ(足の指を手で反らす など)
• アイシング:運動後や痛みが強いときにかかとを冷やす
• インソール・テーピング:アーチをサポートして負担を軽減
• 体重管理:肥満はリスク要因
医療的対応
• 痛み止め(NSAIDs)
• 注射(ステロイド局所注射)
• 物理療法(超音波・衝撃波治療など)
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予後
• 多くは 数か月〜1年で自然に軽快
• ただし慢性化すると治療が長引く場合もあるため、早期の対応が大切
女子高校生テニス部で「股関節が抜ける感覚」がある場合、いくつか考えられることがあります。テニスは切り返し・踏み込み・股関節のひねりが多いスポーツなので、股関節周囲に不安定性や損傷が起こりやすいです。
考えられる主なもの
1. 股関節不安定症(hip instability)
• 生まれつき関節が緩い(関節弛緩性)
• 靭帯や関節包が緩んで「抜けそう」な感覚が出やすい
• 女子は関節弛緩性が強い人が多い
2. 寛骨臼形成不全(臼蓋形成不全)
• 股関節の受け皿(寛骨臼)が浅いと、大腿骨頭がしっかりハマらず「抜ける」ような不安定感を感じる
3. 股関節唇損傷(acetabular labrum tear)
• 捻りやストップ動作で損傷しやすい
• 「引っかかる・抜けそう・カクッとする」感覚を伴うことが多い
• 痛みやクリック音が出る場合もある
4. 大腿骨頭すべり症(思春期にまれに起こる)
• 成長期の股関節で骨頭がずれてしまう病気
• 股関節痛・膝の痛み・抜けそうな感覚が出る
5. 筋肉や腱の問題
• 腸腰筋や大腿直筋などの筋力不足やアンバランスで支えが弱い
• スナッピングヒップ(股関節を動かすとポキッ・カクッと音がして抜けるように感じる)
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まとめ
• 成長期の女子選手は、股関節の構造的な不安定性(臼蓋形成不全や弛緩性)や股関節唇損傷を疑うことが多いです。
• 放置すると軟骨損傷や将来の股関節症につながることもあります。
👉 もし「痛みを伴う」「頻繁に抜けそうになる」「動作に支障がある」場合は、整形外科(スポーツ整形)での画像検査(X線やMRI)が推奨されます。
腰椎分離症とは?
腰の骨(腰椎)の後方部分にある椎弓(ついきゅう)という部分に疲労骨折が起こり、その骨折が治りきらずに「分離」したままの状態になる病気です。
主に成長期の子どもから若いスポーツ選手に多く見られます。
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発生の仕組み
• 腰を反る動作やひねる動作を繰り返すことで、椎弓に負担がかかる
• 特に野球、サッカー、バレーボール、体操などの競技で多い
• 疲労骨折が起こり、骨がつながらず「分離」してしまう
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主な症状
• 腰痛(特に運動時や腰を反らした時)
• 安静にしていると痛みは軽くなることが多い
• 進行すると「腰椎すべり症」につながり、下肢のしびれや痛みが出る場合もある
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診断
• **X線(レントゲン)**で分離部位を確認
• はっきりしない場合はCTやMRIを用いる
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治療
成長期・初期の場合
• 安静(運動休止)
• コルセットなどで固定
• 痛みが落ち着けばストレッチや体幹筋トレーニング
成人や治りきらなかった場合
• 多くは保存療法(リハビリや腰の安定性を高める運動)で対応
• すべり症が強く、神経症状が出る場合は手術を検討
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ポイントまとめ
• 成長期スポーツ選手に多い「腰の疲労骨折」
• 運動時の腰痛が特徴
• 早期発見・安静で治りやすい
• 放置すると腰椎すべり症に進行することがある
膝蓋下脂肪体炎の症状は、膝のお皿の下にある脂肪体が炎症や損傷を起こして出るものです。主な特徴は以下の通りです。
主な症状
• 膝蓋骨の下(お皿の下)の痛み
特に前方や少し奥に感じる痛み。
• 圧痛
お皿の下や内外側を押すと強く痛む。
• 膝を伸ばすときの痛み
階段昇降、ジャンプ、しゃがみ動作などで悪化しやすい。
• 腫れや熱感
膝前面が少し膨らんだり、熱を持つことがある。
• 動き始めの痛み
長時間座ったあと立ち上がるときや、朝起きたときに痛みが出やすい。
• 可動域制限
痛みにより膝をしっかり曲げ伸ばしできなくなる場合がある。
大腿部の肉離れ(大腿筋の筋損傷・筋断裂)は、主にスポーツ中の急な動きや負荷によって筋肉の繊維が部分的に裂けることで発生します。以下に症状、原因、治療・対処法などをまとめます。
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🦵 大腿部の肉離れとは?
📌 よく傷める筋肉:
• 大腿前面(大腿四頭筋)
• 大腿後面(ハムストリングス) ← 最も多い
• 内もも(内転筋群)
🆘 応急処置:RICE処置(48時間以内)
• R(Rest):安静
• I(Ice):冷却(15~20分を数回)
• C(Compression):圧迫(弾性包帯などで)
• E(Elevation):挙上(心臓より高く)
※ 炎症期が過ぎたら、温熱やストレッチ、リハビリへと段階的に移行
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🔄 回復後の注意点
• ストレッチや軽い筋トレで再発防止
• 十分なウォームアップ・クールダウン
• 柔軟性の回復が不十分な状態でのスポーツ復帰は再発のリスク大